不用意に笑顔を振り撒くのにも、モテる
のもムカついた。
俺だけに好かれればいいのに、と。
俺だけが心優の可愛い所を知ってればい
いんだって。
どうしようもない傲慢な独占欲。
中学生になれば、ただただその想いは募
るばっかりで。
義理だとわかっていても、バレンタイン
に貰えたチョコレートは死ぬほど嬉しか
ったし。
俺の誕生日を毎年、自分の事のように祝
ってくれる心優が愛しくて。
中学生になると、幾度か告白もされたし
、そのなかには可愛いって有名の子や、
性格のいい子もたくさん居たけれど。
どんな女の子も俺の心を揺さぶることは
出来なくて。
俺の脳内を埋め尽くすのはただ、心優だ
けだった。
ひらり、ひらりと。
淡い想いは花びらのように降り積もるく
せに。


