時の流れは異常に速く、無情だ。



「……っさみぃ……!」



思わずぶるぶるっと凍えて縮こまれば、
リビングに居た心優が小さく笑った。



「音夜君、もう二月なのに布団蹴っ飛ば
して寝てるからだよ」



そう。



季節は巡り、冬真っ只中。もう卒業まで
、1ヶ月もない。



そして、心優と居られる時間も───。



心優は無事に大学進学が決まり、それを
嬉しそうに俺に伝えてきた。



そんな俺に、何もしらない心優は、「音
夜君は卒業後どうするの?」と無邪気に
尋ねてくる。



……答えられるわけもなくて、俺はただ
、曖昧に頷くだけ。



言えるわけが、なかった。



その頃にはもう、日本に居ないだなんて