「好き、先輩……」 「またそうやって…。ここが外じゃ無か ったら、押し倒してるから」 「ええぇ!?」 あからさまに驚く私を笑いながら、先輩 は離れていった。 「愛してる、心優」 先輩はそう言うと、触れるだけのキスを 落として、帰っていく。 その背中を、やっぱり名残惜しい思いで 見つめた。 ―――神崎 陽介〔カンザキ ヨウスケ〕 一つ上の高校二年生で、私の初めての彼 氏。 先輩とは弓道部で知り合って、六月の今 日、交際一ヶ月を迎えた。 優しくて、カッコいい先輩。