「……お前の番犬、鬱陶しすぎ」
この合宿は、最初にも説明した通り、飯
盒水産───つまり、自炊。
だから、カウンターに用意された食料を
受け取って、自分で作る。
その食料を受け取るために、先輩とカウ
ンターに向かうと、ふいに先輩が忌々し
そうにそう呟いた。
因みに、腕は掴まれたまんま。
「番犬?」
「鷺沼だよ。落ち着いて心優とイチャイ
チャ出来やしねぇ」
先輩……さらっととんでもない事を言い
ましたね。
あまりに自然な口調すぎて、一瞬、うな
ずきかけましたからね?
「先輩、ここには合宿の為に来てるんで
すよ」
強化合宿ですよ。強くならなきゃいけな
いんです!


