【完】結婚させられました!?





その言葉の意味をはかりかねていると、
突然。



───……ぎゅっ



手のひらが、大倉に握られて。



「お、大倉……!?」


「……素直になるなんて、そんなの俺に
は無理だから、行動で示すことにした」


「な、なにが……」



その瞬間、横に身を乗り出した大倉の顔
が、目の前に映って。



視界は、綺麗に瞼を閉じた大倉と、星空
で埋め尽くされ。



唇に、温かな何かが、触れた。



でもそれも本当に僅かな時間の出来事で
、大倉は私から離れると、苦笑する。



「なんでノーリアクションなんだよ。一
応、今の、キスだけど」


「……っ!?」



カアッと今さら蓄積されていく熱。



多分トマトみたいに真っ赤なんだろう私
に、大倉はちょっぴり嬉しげに笑った。