ふと隣を見れば、柔らかく微笑んでいた
。
「俺、星見んの、好きなんだよな」
「そっか……」
大倉の目はこちらには向かなくて、だか
ら私も顔を前に戻して、また、星に目を
向ける。
「───……なぁ、澤部」
「ん?」
「澤部はさ、もう俺の気持ちには気付い
てるの?」
俺の気持ち───……?
何を言ってるのかよくわからなくて、眉
を潜めると、隣で大倉が微かに笑った声
が聞こえた。
「やっぱり、気付いてないんだ?」
「え、と……」
「俺、わかりにくい?」
……さっきから、大倉は一体何を言って
るんだろう。
気付いてないとか、わかりにくいとか。


