クスッと笑いながら心優の頭を撫でてや
ると、心優は拗ねたように俺を見上げて
、頬を膨らましたけど。
ただ、可愛いだけ。
「……キスしていー?」
「んなっ……!?変態!」
俺がそう言うと、心優は顔を真っ赤にさ
せて、そう怒鳴ってきた。
でも、キスしたくなる顔をするのが悪い
。可愛すぎる。
「もう!チョコレートあげないよ!」
「ん?いーよ。その代わり、心優を貰う
から。嫌って言っても無駄だよ?」
俺が本気出せば、心優なんてすぐ襲える
よ。───……そう耳許で囁けば、心優
は顔を真っ青にさせて、チョコレートを
大人しく持ってきた。
あ、そこは赤面じゃないんだ。
苦笑いしながらも、そのチョコレートを
受けとる。
また今年も貰えたことに、言い様のない
嬉しさが込み上げるのを、感じながら。
幼なじみじゃなかったら、きっとこんな
風にチョコレートなんて貰えなかった。


