「妬けるから、やめて」
ズイッと顔を近づけてそういった音夜君
に、息が止まりそうになる。
鼻先が触れそうなほどの距離を保ったま
ま、音夜君が首を傾げた。
「ね、わかった?心優」
ふ、とその吐息が唇を撫でていくのがも
う我慢出来なくて。
思わずぎゅっと目を瞑りながら、何度も
頷いた。
音夜君が居るときは、名字で呼ぼう、固
く決心しながら。
「……ていうか、そんな顔されるとキス
したくなる」
「え!?」
そんな突然の音夜君の言葉に驚いて目を
開ければ、ちゅ、とおでこに軽いキスを
落とされて。
「ちゃんと聞いててよ!」
私に赤面する暇すら与えずに、音夜君は
そう言うと、どこかへ走っていった。
「……みてるこっちがむず痒いね」


