ちょっと挑発するようにニッコリとそう
言えば、さらに彼女が顔を歪めて。
まあ、婚約者とは言わなかったけど。
「心優、こいつは北野あゆ。同級生だ」
同級生、という括りに分類されたのが気
に食わなかったのか、北野さんは軽く音
夜君を睨んで。
といっても茶目っ気たっぷりの可愛い睨
みだったけど。
それから、音夜君の腕に抱き着いた。
「音夜の未来の恋人ですぅ!」
……うわー、ほんと、どこまでも人の神
経逆撫でしてくる女!
その甘ったるい声も言葉遣いも、あまり
人を毛嫌いしない私が唯一嫌いな人種だ
った。
ブリッコみたいなくせして、妙に計算高
いのが嫌。
「北野、そういう冗談マジでやめろ」
「えーっ、冗談じゃないのにー!」


