【完】結婚させられました!?





ふわりと香る、シトラスの匂いにドキッ
と胸が騒ぎ出す。



「心優を誘惑してんな、お前」



私は、先輩に抱き締められていた。



先輩はそう言うと、更に強く私を抱き締
めて。



もう、ドキドキが聞こえちゃうんじゃな
いかってくらい密着して、余計にドキド
キさせられた。



し、心臓に悪い……。



「別に誘惑なんてしてないけどねー?ち
ょっとお悩み相談を聞いてただけ」


「……あ?」


「ほんと、独占欲強いんだから」



苦笑いしながらそう言った大河原先輩に
頬がカアッと熱くなる。



独占欲、なんて……。



少しだけだけど、嬉しい、なんて思って
しまった。



「……とにかく心優と二人きりになるな
。行くぞ、心優」