「・・・お兄ちゃん、掟・・・覚えてる?」



「・・・あぁ。桜は、俺を連れ戻しに来たんだろ?」



「・・・違う。」



本当に違う。
お兄ちゃんがこの学校にいることも、王龍にいることも、
ハッキングで知っていた。でも、連れ戻しに来たわけじゃない。




「・・・本当は、知っていた。
何処で、何をしているのか。全てを。」




「ならッ!」



「お兄ちゃん、違うね・・・
穂、お父さんが探している。」




お兄ちゃんは、掟に縛られることになる。
 私は、感情を押し殺さなければいけない。