「大丈夫‥」
「大丈夫じゃないでしょ。」
急に身体がふわっと浮いた。
「えっ‥詩月くん!ちょっと‥!?」
私、詩月くんにお姫様抱っこされてる‥!?
「保健室行こ。」
「え、そんな、大丈夫だから‥」
そんな私を無視して彼は歩きだす。
「中野くん、みずはのカバンとりあえず教室においておくからあとでとりに行ってあげて。」
ゆりかの声。
ゆりかはこういうとこしっかりしてるよね‥
じゃなくて!
この状況!
周りの人皆みてるよ‥
「詩月くん‥皆みてるよ‥」
「うん。知ってる。」
いつもと全くかわらない無表情の詩月くん。
こっちは皆にみられてる恥ずかしさと異常な心拍数でどうかなりそうなのに‥!
やばいやばい‥
でも案外すぐに保健室についた。
先生はいないみたい‥
私をベッドに下ろすと、手際よくテーピングの準備をはじめる詩月くん。
「テーピングすればちょっとは痛くないと思うから‥」