そのまますぐにホームルームが終わって帰り支度をする私。

「みずはー。帰ろ。」
帰り支度だけは早いゆりか。
「りっちゃーん!帰ろー!」
「はーい。」

いつも通り仲良く三人で帰る。

廊下は、テストが終わり、久しぶりの部活へと急ぐ生徒で溢れていた。
皆体操着だったり大きな楽器もってたり‥

そういえば、詩月くんに部活すすめようかな、なんて思ってたけど‥
まぁいいか!さすがにおせっかいっていうか、入りたかったら部活はいるよね。


階段を降りていると、すぐ上から声が聞こえた。
「わーっ!!」

私のすぐ近くをバイオリンが落ちていく。
カバンを放り投げて
私はとっさにそれに手をのばす。

やった!
つかまえた!
と同時にものすごい衝撃。
とりあえずバイオリンを抱え込む。

いてて‥
階段を落ちたみたい。そりゃそうだ。

「みずは!!大丈夫!?」
「階段から転がり落ちてたよ!?」

「大丈夫‥あ!あの、楽器は!?」
腕の中のバイオリンをみる。
ぱっと見無事っぽい。

そこに、そのバイオリンの持ち主さんらしき人が‥
「ありがとうございます!!大丈夫ですか!?これのために‥ほんとにごめんなさい!」

「あ、大丈夫です!多分楽器こわれてないと思うんですけど‥」
バイオリンを差し出す。

それをみて笑顔になるその子。
「よかったぁ!ほんとにありがとうございました!」

私も笑顔になる。
「いえいえ!部活頑張ってください!」