「あー、これ‥文法がよくわかんないの?」
「うん、ってかなんかもう全部わかりません‥」

「しょうがないなー‥」
とか言いながらも一つずつていねいに教えてくれる詩月くん。
やっぱ根はいい人なんだよね‥

「あ、だから、違う‥」
「えっ、うそ!」

私がパッと顔をあげると、目の前に詩月くんの顔。

近い。

お互いに夢中になってて気づかないうちに近づいてたみたい。

「わっ、あの!ごめん!」
私は椅子ごと後ろに飛び退く。
顔が赤くなる。

「そんなに驚かなくても‥」

「だよね!ははっ、ごめんね。」

「ちょっと休憩、しますか。」
「うん。ありがとう!一時間くらいだったけどすごくよくわかったよ!!」

「うん。よかった。みずはの役にたてて。」
そう言ってはにかむように笑う彼。

ほんとかっこいいよなぁ‥