「ふふっ。なんか‥相変わらずだね。こっちだよ。」
思わず笑ってしまう。

あの日、彼の辛い過去をきいた後、詩月くんはいった。
「俺、頑張ってみよっかなー‥」

そして私は約束した。
「一緒に頑張ろ!学校楽しも!ちゃんと隣にいて応援するから。」


それから、詩月くんはやっぱり少し変わった気がする。
お酒もタバコもやめて、毎朝ちゃんと起きるようになったし。

でも、やっぱり詩月くんは詩月くんのままだなって
相変わらずだなって

「みずは?」
「あ、ごめん。ボーッとしてました‥」


「図書室、誰もいない‥」
「だね。」

「じゃあ、やりますか。何教えて欲しいわけ?」
「まずねー、英語!」

そう言って私はカバンから教科書をとりだす。
彼はカバンから眼鏡をとりだしてかける。

眼鏡‥なんか新鮮!
ってか意外と似合っちゃってるし。
あぁもう!ほんとずるいよ‥

「どこわかんないの?」
「あ、んーとね、これ‥」