詩月くんのこと、ちゃんと話きかなきゃ。
「あのさ、いつもお酒とか飲んでるの‥?」
思いきってきいてみる。


「ううん。いつもじゃないけど‥そういう友達といる時は飲んだり。」

「そっか‥。でも、学校行けなくなるくらい飲むなんて。」
「ごめん。」
「うん。私‥私ね。詩月くんにはちゃんと学校行って楽しんでほしいから、もうこういうことやめてほしいって思うの‥ごめんわがままなんだけど‥」

私は言葉につまる。
これ以上なにを言えばいいの?

すると詩月くんと目があう。
私は目をそらす。

「俺もわかってるよ‥こんなじゃダメだって。ほんとなにしてんだろ‥」
「ごめん。責めるつもりじゃなくて‥」

「俺さ、こういうやつなんだよね。学校行くのもやっとでさ。のくせに夜は地元の友達と酒飲んだりタバコ吸ってみたり。最悪だよねほんと‥」

「最悪じゃない!詩月くんは悪くない!」
私は大声をあげていた。


「みずは‥?」

「詩月くん、ほんとはそんなに悪い人じゃないと思うんだ。大丈夫だよ、今からちゃんと学校行って、お酒もタバコもやめればいいじゃん。ね?」

「‥うん。」

「大丈夫、大丈夫だよ。だから自分のこと嫌いにならないでよ。」
そう、私は自分のことを悪く言う詩月くんをみたくなかったんだ。

と、その時。
「えっ‥?詩月くん!?」

詩月くんに抱きしめられる。