なになに!
急にどうしたの詩月くん!

またしても突然の発言にドキドキしてしまう。
詩月くんってなんなの?
天然?
だってさー、なんかさー、いちいちこう、私がドキドキするようなことしてきて‥本人は気づいてなさそうだし。

じゃなくて!
授業中だったよ!
「詩月くん、授業中だからね!」
小声でそう言って唇に人差し指を当てる。

すると、詩月くんはため息をついて面倒くさそうに前に向き直る。

なんだよ!
そのため息は!
私だってねー、自分が今うざくておせっかいな奴だってわかってるよ!
でも、あんたもあんたでしょうが!

さっきまでのドキドキはどこへやら、私はまた隣の彼に腹が立ちはじめたのだった。