私たちが教室に入ると、皆がいっせいにこっちを向いた。 いろいろなとこから聞こえてくる声 「あれって中野?不登校の‥」 「そうだよ、去年同じクラスだった。」 「めっちゃイケメンじゃん!」 「ちょータイプなんだけど!」 男子も女子も騒がしい。 私はそんな声を無視してつかつかと自分の席へ向かう。 私が席につくと、詩月くんも隣に座る。 そうだ‥ 隣の席だったんだ。 もうすっかり忘れていた。