「それから?」
完全に腹がたっていた私は早口で問い返す。

「詩月でいいよ。呼び方。」

急にそんなこと言うから拍子抜けする。
「あ、はい‥」

それから彼は少しも笑うことなく言う。
「じゃあね。」
「あ、うんバイバイ。」

そうして私は彼とめでたく初対面を果たしたのだった。