「はい、終わり。たてる?」

そっと地面に足をつけて立つ。

ちょっと痛いけど‥
さっきよりはだいぶ楽だ。
「‥うん。すごく楽になった!ありがとう!」

「じゃあ、教室行ってカバンとってくるから、まってて。」

「ありがとー。」

私はまたベッドに腰かける。

詩月くん、最近前よりもっとかっこよくなった気がする‥
ずるいよなぁ。
勉強も運動もできて
優しくて
かっこよくて

私なんかじゃつりあわないってゆーか‥

「はぁー‥」
思わずため息をついてしまう。

「なんでため息ついてるの?」

「わっ!詩月くん!?いやあの、その‥なんでもないです。」

「そっか‥カバン、俺もつから。大丈夫?立てる?」

「うん!ありがとね。」

そのまま学校をでる。

「詩月くん、自転車は?」
「あー‥うん。大丈夫。今日はおいてく。」
「いいよ!とってきなよ!」

「‥チャリ押してたら、みずはがまたなんかあった時すぐ支えられないし‥」

「あ、うん‥」

顔が赤くなる。
私達は家の近くまで無言で帰った。

別に気まずくはない。
はじめて一緒に登校した日もそうだったし。
あれから1ヶ月かぁ‥
早いなあ。


私の家の前まで送ってくれた詩月くんにお礼を言う。
「今日はほんとにありがとうございました。」
「あ、ううん‥大怪我しなくてよかった。」

「じゃあ、またね!」
「バイバイ」