「ありがとう。」

詩月くんは私の足首にくるくると布テープをまきつけながら
私は見上げて言う。
「みずはさぁ、知らない人の楽器ためになんであそこまでできるの?」

「いや、なんか、とっさに‥瞬間的に‥ふふっ、なんでだろうね?わかんない。」
笑ってごまかす。

だって、なんで?とか言われてもわかんないし。

そういうと顔をさげてテーピングに集中する詩月くん。
「まぁ、そういうみずはだから好きになったんだけどね。」

私の顔をみないで言う。
さらりとそんなこと言わないでよ‥

ドキドキがとまんない。