「玲、早くしないと賀川君に会えなくなるよ」
そうだ、急がないと!
私は結衣のその一言で、飛び起きて大急ぎで準備を始めた。
顔を洗うために洗面所がある1階に降りると、悠々とリビングで私の弟である玲於が朝食をとっている。
「玲於!おはよ」
「…」
む、無視?!
「玲於のクセに何無視してんのよ!この反抗期!高校生になったからって調子ノってんじゃないわよー」
「うっせーな、反抗期って何だよ。ってかさっさと着替えろよ、時間見ろ時間」
フっと時計を見ると8時丁度を指してる。
始業は8時40分。
学校は家から歩いて20分。
校門で待たなきゃいけないから…
ヤバ!急がないと~っ
「玲於、ちょっとは性格直さないと彼女出来ないよ!」
「お前にはカンケー無いだろ」
そう言って玲於は、学校へ行く準備を始めた。
「ホントにイヤなヤツ」
そう呟きながら、私は顔を洗って2階へ戻った。

