「さて。俺はこれをダレンのところに持っていってくるけど、ジルはどうする?」


チェックインを済ませ、荷物を部屋に運んだところでローグが言った。


ローグが“これ”と言ったもの…、
旅での収穫の品である。


大半は動物の毛皮なのだが、毛皮はいい値段で売ることができるため、大概持ち帰ることにしている。


それを売った金は二人の生計資金になるわけだ。



「う〜ん。私はいい。
ちょっと休ませて」


そう答えたジルは既にベッドに突っ伏している格好だ。


歩き疲れたのか、よく眠れなかった日々が続いたためか。

もうベッドでゆっくり休みたい。
そんな希望が見て取れる。


ローグはそんなジルの姿を見遣ると、しょうがねぇなぁと肩を竦め、売り物の荷物を小脇に抱えて部屋を後にした。