「おい。お前ら、いつ帰ったんだ?」
背後からいきなり声を掛けられ、慌てて二人は振り返った。
そこには鍬を片手に、びっくりした表情のスコットが立っていた。
だが、びっくりしていたのは最初だけで、その表情はすぐにニヤニヤとしたものに変わっていく。
「おいおい。そういうことは他所でやれってんだよな」
寄り添う二人の身体と、自分の頭に載せられたローグの手に視線が注がれているのを感じ、ジルは狼狽してローグからパッと身体を離した。
やだ…。
私ったら、無意識でローグに…。
その先は顔に火照りを感じて、何も思うことができない。
ローグも少し照れたように、額をぽりぽりと掻いた。
「なんだよ。照れるこたぁねぇだろ」
とニヤニヤしていたスコットだが、思い出したように表情を一変させた。
「そうだ、お前ら。
帰ってくるのを待ってたんだよ」
そうして、スコットは思いもしていなかったことを口にした。