Red Hill ~孤独な王女と冒険者~


あの時の父の死が、この復讐劇と関係しているのか。

あの時、彼の気持ちを汲んでやれていれば、今回の悲劇は避けられたのだろうか。


その関係するところは、まだ分からない。


今のカチュアには、「とても残念だったわ」という言葉しか伝えられなかった。


だがしかし、クリストファーはその言葉に対して明らかに苛立ちの意思を示した。


「残念だったと?」


カチュアを睨み見るような形相で、今にも襲いかかってきそうだ。


その腕をジルに掴まれると、クリストファーは鬱陶しそうに払った。


そして落ち着くように深呼吸する。


「残念だったなんて、よく言えたものだ」


深呼吸の効果は見られない。


腹立たしさを滲ませた口調でクリストファーは続けて言った。


「親父は…、俺の親父は……、

国王に、殺されたんだ…」