彼女の名前はジル・マイヤーズ。
年齢は24歳。


この世界を旅する冒険者で武術家だ。


身長は150cmくらいと小柄で、一見すると少女のようだ。


だが、細身の身体は弱々しく見えるものの、無駄なく鍛え上げられているのが分かる。


赤がかった茶色の髪は肩より少し長めで後ろに結わえられている。


大きな黒い瞳に、少し低めの鼻が愛らしい。


旅疲れでなければ健康的に見えるだろう。



今は頼まれたお使いを終えて、旅の拠点にしている村へ戻る途中だった。


野獣や魔獣なとが蔓延るこの世界。


危険のないモンスターもいるが、大半は危険なモンスターばかりだ。


怖くないと言えば嘘になる。


だが、彼女は冒険者という道を選んだ。


怖くならないように、幼少の頃から武術の修行に明け暮れた。


修行がうまくいかず、泣きながら一晩を過ごしたこともある。


一つ修行を終えても、また次の修行が待っている。


そんな幼少期をふと思い出すと、ジルは薪を焼べながらクスリと笑みを浮かべた。