きっと泣いてんだろうな…。



でも今の俺に、葵を慰める権利はない。




俺は馬鹿だ。



後悔しても反省しても、また同じことを繰り返す。



また、君を傷つける。




俺はモヤモヤとした気持ちを抱えたまま、ケータイと財布だけを持って外へ出た。




外に出て、もわっとした湿り気を帯びた風に吹かれて、俺は、たまらずに深く息をついた。




葵の側から離れた方がいいのかもしれない。




弱気な自分が顔を覗かせる。




守ると決めた。




この手で君を。




なのに、俺は…。




葵は僕の光だ。




暗闇の中に見えた、一筋の光。



孤独だった僕に手を差しのべてくれた葵。



真綿のように、淡く、優しく包み込んでくれた葵。



俺は懐かしく感じることができるようになった、苦い思い出に想いを馳せた。