「…うぅ、ヒック…」



布団に潜り込み、枕に顔を押し付け、懸命に嗚咽を押し殺す。



宙夢が誤解したまんまで、私の言葉を信じてくれないことにも腹が立ったし、何より…



「…付き合っちゃえばって、何よ!?…ヒック…宙夢の馬鹿!!」



言われた瞬間、カッと頭に血が登って、気付けば宙夢に「大っ嫌い!」と叫んでしまっていた。



「…大嫌い。宙夢なんて…。」




自分で言っていて悲しくなる。



…本当は好きなんだ。



どうしようもなく。



嫌いになれるはずがないんだよ…。



切なくて、苦しくて、辛い。



この世に神様がいるのなら…。



この切なくて苦しい恋の迷路のゴールはどこなのか、どこまでいったらゴールなのか、教えて…。


私はゆっくりと目を閉じた。


浮かんでくるのは、宙夢の、宙みたいに深く優しい眼差しだった。