「井端」 「は、はい」 「数学準備室鍵かけておいてくれ」 俺は井端に鍵を渡して 電話に向かってこう言った 「綾、すぐ行ってやるから待ってろ」 俺は井端にケータイを投げ渡し 階段をダダダッと降りた 確か綾の家は学校から10分 くらいで着けると思う 綾―――… 待ってろよ、俺が行ってやる 俺は校門を出て 綾の家の方向へ走った