なのに―――…


あのホテルの作戦のせいで

佐野君にばれてしまうなんて



「私のせいだよ、ごめん…ごめん!」

「留衣のせいじゃないよ」



このやり取りを

あの時は何回したか分からない




「綾、ごめんね…綾……」



前みたいに先生との惚気を

幸せそうに話す綾に戻ってほしい






―――――――

―――――




プルルルル プルルルル


夜の9時頃

綾から電話がかかってきた