「頭のみかんとほっぺのりんごでフルーツバスケットみたいなことになってんぞ」 「なっ」 変なことを言われてうっかり顔をあげると、 わたしを見ていた久賀くんとうっかり目があった。 やばい。 どうしよう、ますます赤くなっちゃう―― そう頭では思っているものの動けずにいると、久賀くんははっとしたような顔して わたしをじっと見つめた。 わたしの熱いほっぺに久賀くんの指先が触れて―― 「だめよ、遼平。手を出しちゃ」 女の人の、声がした。