にやにやしている真宏が憎たらしい。
「そういや山崎ちゃん、柊ちゃんのこと探してたんだった。劇のおかげで人気者らしいよ。サイン会やるんだってさ」
「…お前はないの?サイン会」
「俺は悪役だからね。柊ちゃんほど人気はないよ」
確かにあの王子は最悪だったけど、悪役好きもいるだろーに。
さては、何か細工してきたな。
脱力しながら真宏を見ると、真宏はにっこりと笑った。
「俺とまわろうか、二人で」
「誰が。お断りだ」
真宏の手を振り払って歩き出すと、真宏はきょとんとした。
「どこ行くんだよ?」
「柊探しに行く。山崎のバカから奪い返さないと」
早く助けてやらないと、今頃予想外の出来事にあわてふためいてるだろう。



