真宏が耳を掴んでいる男は、くじ屋のオッサン。
え、
もしかして…
「あのさぁ、真宏」
「何?」
「もしかして、それお前の親父さん?」
「さん、なんかつける必要ないよ」
真宏はオッサンを睨みつけると、ぱっと耳から手を離して獲物を解放した。
オッサンは逃げるように校門のほうへ飛んでいき、すぐに姿が見えなくなった。
逃げ足、早。
つーか。
「ぷッ」
我慢できずに噴き出すと、柊があわてて俺を窘めてきた。
だけど我慢できなくて、ついにはゲラゲラ笑い転げてしまった。
「まさか、アレが真宏の親父だなんて!」
どうりでどこかで見たことあると思ったはずだよ。
「真宏の将来はアレか〜」
「冗談でもやめろ。絶対ああはならないから」



