「ねぇ、こっち見てよ。」 壁にピッタリ背をつけながら、全力で下を見る私の上からそんな言葉が降ってくる。 ヤツと目を合わせたら終わりだ。 金縛りにあって、動けなくなる…! 「ねぇ、こっちみてよ。」 その言葉と共に、トンッと壁に着地するヤツ…もとい悪魔の手。 ちょうど顔の横に置かれたそれを妙に意識してしまって、さらにジッと床を見つめてしまう。