「え〜。違うのー? ちょっと期待したのに、 ざーんねん。」 ふざけた口調でそんなことを言いながら、悪魔は一歩一歩焦らすように私に近づいて来る。 私はヤツの放つ狂気のような色気に脳を侵食されそうになりながらも、ヤツの動きに合わせて一歩一歩後ろに下がる。 「な、なんでこっちくるのよ?」 「えー。 じゃあ、なんで逃げるの?」 焦る私に気づいているくせに、ニヤニヤした表情を一切隠さずどんどん距離を詰めてくる。 コツッ 「…っ!!」 下がり過ぎて、とうとう壁に到達してしまった。