見るもの全てが可愛い。
まるでおとぎ話の中にいるようなフワフワした気分だ。
「どうぞ。」
そう言ってメイドさんがドアを開けてくれた。
「ありがとうございます。」
お邪魔します、と小さい声で呟きなが
ら、洋館の中に足を踏み入れる。
す、すご……。
洋館の中に入ってまたビックリ。
目の前に伸びるお城にあるような木目調の階段に、私はまたまた目を見開いた。
ありゃりゃ…
こらまた凄い。
そわそわする私とは裏腹にスイスイと進んで行くメイドさん。
まぁ毎日いるから当たり前なんだけど…。
部屋中に敷き詰められた赤い絨毯をふみしめながら、私はその後をついて行く。

