たとえ愛なんてなかったとしても

「それでも過去のこと言われるのだけは我慢できないんです。
そんなに、整形がいけないこと?
整形する前が美人じゃなかったから、諦めなきゃいけないんですか?」



こんなことを言わても困るだけなのに、彼には全く関係ないことだろうに、それでも聞かずにはいられなかった。


どうしてなのか自分でも分からなかったけれど、私のしたことを認めてほしかったのかもしれない。

他の誰でもなく、彼にだけは。


彼にとってどうでもいいことなのは分かっていたけれど、見たくもない過去の私を見せられて、少なからず動揺していたんだ。


消しても、消してもつきまとってくる過去。

きれいになったはずなのに、いつまでも私を苦しめる。



「別に......俺の顔じゃないから。
他人が整形だろうが、どうだっていい。

それに整形前の顔もそんなにひどくないと思うけど」


「私にとってはひどい顔ですよ......こんな顔大嫌いなの!
原型が無くなるくらいに変えてしまいたいくらい!
鼻も高くしたいし、目も大きくして、もっとパッチリした二重にして......!」