たとえ愛なんてなかったとしても

「はぁ......。

俺が初めて付き合ったのは高校2年生の時。
同じクラスで仲が良かった女子のことが好きで、思いきって告白したんだけど」



しぶしぶ話し始めた俊輔くんの話の途中で、ようやく店員さんが肉と野菜を持ってきたので一端話を中断する。


俺が焼く、と炎彬くんがカルビや玉ねぎを並べ始めるのを見ながら、店員さんが出ていった後に話を再開した。



「それで、その時はOKもらえたんだけど、次の日に、......やっぱり付き合うのは無理って振られたんだ。

初めて付き合った人の思い出は、それだけ」


「は? 一日で?
付き合ったうちに入るのか?

何で振られたんだ?」



炎彬くんがカルビをひっくり返しながら、心底不思議だといった表情で聞く。


......それにしても、一日って。
せめて一週間はがんばろうよ。


笑っていいのか、なぐさめた方がいいのか分からないよ。


キャシーちゃんは遠慮なくクスクス笑ってるけど。



「何でって、俺が知りたいですよ。
一日で振るくらいなら、最初から断ってほしかった」