たとえ愛なんてなかったとしても

「僕は別に仲良くしてもいいよ?
っていうか、たまに食事に行くくらい、いいんじゃないのー?

仲良くするって言い方が嫌なら情報交換、それも仕事の一貫だと思えばいいじゃん」


「英俊......! 意外といいやつだったんだな」


意外って、失礼だなー。

四面楚歌の状態から、たった一人だけ賛成した僕に、俊輔くんはキラキラした目を向けてくる。


僕は別に喧嘩したいわけじゃないし、仲良くても特に不都合はないし。


何もしなくていいと言われたけど、一応協力するって言ったから助けてあげないとねー。


安心させるように、にっこりと笑った。



「そうですよ! 英俊の言う通り仕事の一貫ですよ、エリックさん!
メンバーのことも知らないんじゃ仕事に支障きたすと思いませんか?

今はいいけど、いつか上部だけの関係だと世間にバレたら、面子丸潰れですよ、炎彬さん。

それから、ミヒ。年上の俺の言うことが聞けないの?」



さっきまで楽屋の前でヘタレていた人と同一人物だとは思えないほど、的確にそれぞれの気にするところを指摘する俊輔くん。


メンバーのことを知らないとは言っても、やっぱり少しは知ってるんだな。


いつもは言いたいこと我慢しているようだけど、今回は真剣みたいだ。


こんなにはっきりと自分の意見を言える人だったなんて、少し見直したかも。