ようやく全国ツアーが終わった後。
焼き肉屋に誘ったのはいいものの、気をつかったのか薄情なのか、先に行っているとさっさと出ていかれて、控え室にミヒと二人。
ミヒはもう十分以上も口を開かずに、病室で母親と二人で撮った写真を神妙な顔つきで見つめ続けているので、俺もあえて話しかけていない。
「結局、お母さんは最後まで嘘つきだったんだよ。
一緒に住もうって言ったのに、
ライブ見にきてくれるって言ったのに。
ひとつも守ってくれなかった」
俺に話しかけるというよりも、写真に向かって一人言を言っているかのようなミヒ。
ミヒが見舞いに行った数日後、ミヒの母親は眠るように逝ってしまったそうだ。
ツアー直前ということもあって、葬儀にも行けず、悲しむ暇さえもないくらいの忙しさだったが、涙ひとつ見せず気丈に振る舞っていた。
しかし、ツアーも終わってホッとしたのか、ミヒも気がゆるんだのかもしれない。
「そう言ってやるな。
ミヒが韓国にくるまで、待っててくれたんだろ」
焼き肉屋に誘ったのはいいものの、気をつかったのか薄情なのか、先に行っているとさっさと出ていかれて、控え室にミヒと二人。
ミヒはもう十分以上も口を開かずに、病室で母親と二人で撮った写真を神妙な顔つきで見つめ続けているので、俺もあえて話しかけていない。
「結局、お母さんは最後まで嘘つきだったんだよ。
一緒に住もうって言ったのに、
ライブ見にきてくれるって言ったのに。
ひとつも守ってくれなかった」
俺に話しかけるというよりも、写真に向かって一人言を言っているかのようなミヒ。
ミヒが見舞いに行った数日後、ミヒの母親は眠るように逝ってしまったそうだ。
ツアー直前ということもあって、葬儀にも行けず、悲しむ暇さえもないくらいの忙しさだったが、涙ひとつ見せず気丈に振る舞っていた。
しかし、ツアーも終わってホッとしたのか、ミヒも気がゆるんだのかもしれない。
「そう言ってやるな。
ミヒが韓国にくるまで、待っててくれたんだろ」