ああ、でも何が変わったかは分からないけど、それでも確かに何かが変わったみたいだ。


ステージに深々とおじぎをしてから、僕たちに笑顔を見せるエリックくん、とか。

アンコールの曲を歌っている最中に感極まって泣いちゃったミヒちゃんを抱きしめるキャシーちゃん、とか。


客席からじゃ、もしかしたら気づかないことでも、同じ場所に立っている僕たちには分かることが、他にもたくさん変わった気がする。


純粋な友情とか愛情とか、世間が僕たちに抱くイメージとは違っているかもしれないけどさ。

ドロドロしてても、汚くても、不純でも。

それでもさ、僕たちの間には確かに何かがあるんだ。なんだかよく分からないもので、繋がってるんだ。


お手本通りの正しい人間じゃなくたって、正しい友情、愛情じゃなくたって、別にいいんじゃん?

だってさ、誰にも理解してもらえなくても、それは僕たちだけが分かっていればいいでしょ?



そして、君と僕との間にあるものは、僕たちが分かっていればいい。
そうだよね?


ステージ中を走り回っていると、最愛の彼女を見つけたので、こっそりと手を振ると、私に手を振ってくれた!と他の子たちの叫び声が聞こえた。


大好きだよ。
他の誰かに理解される愛しかたじゃなくたって、常識はずれだって、僕は自分なりに精一杯君を愛してる。

誰よりも不純で、誰よりも純粋に。