「結局キャシーは、俺よりもミヒの気を引きたかっただけみたいだしな。

私を本気にさせたのはあなただけ、か。
......俺が言われたかったなぁ」



女の私でも嬉しかったんだから、好きな女の子から言われたらもっと嬉しいと思う。
それを横で聞いていた俊輔さんは複雑だったのかもしれない。

再起不能な状態に見えるけど、大丈夫なのかな。明日から。



「ごめん~、俊輔さんが言われたかったこと、私が言われちゃって......。
大丈夫?じゃないよね」


「変に気をつかわれると、余計にヘコむ。
ミヒも今まで通り、な」



俺たちも色々あったけど、今まで通りにしよう、そう言われてなんだか安心した。


気まずくなってもおかしくないけど、私たちどうしたってどれだけ気まずくたって会わなきゃいけないみたいだし。


付き合ってた人が、俊輔さんで良かった。
この優しい人を傷つけた私はどうしようもない女だけど、キャシーはそれ以上だ。


付き合ってみたら、いいのに。
俊輔さんの言うように、キャシーにはキャシーの考え方があるんだから無理強いはできない、それは分かってる。

けれど、こんな私にまで優しくしてくれる、心の優しい人なのに。

こんな人はきっと、めったにいないと思うのに。


それこそ私にだけは言われたくないだろうし、キャシーをせめる資格なんて一切ないから言えないけれど。