「いきなり実践できるか!
俺は別に、そんな趣味なんてなくてもいい。
どんな趣味があってもなくても、好きになったら関係ない!」


「本当、ですか?

炎彬さんは同じ趣味の子じゃないと付き合えないって、しかも相性を確かめてからじゃないと付き合えないって、友達に聞いたから、私はてっきり」



どんな男だ、俺は。
誰がそんなことを言い回っているのか、元の噂の原型よりもさらにパワーアップしたそれに、ため息が出てくる。


つまり、レイナは俺が何を言っても、俺にはその手の趣味があるからだと脳内変換されていたのか。
まったく、先入観とは恐ろしいものだ。


こうなったのも全てキャシーのせい、いや最初に週刊誌にありもしないことを言った女のせいか。

というか......。



「それにしても、こんなややこしいことやろうとしないだろ。
最初から、言ってほしかった。

それに俺とレイナは今まで接点なかったのに、いつ好きになった?」



接点がなくても、ひとめぼれとかテレビで見てとかあるだろうから、好きになったらおかしいとは言わないけど。

あまり良く知らないのに、ハイリスクな真似までして近づいてくるなんて、やっぱり納得できない。