たとえ愛なんてなかったとしても

「両親にマンションと車を贈りたいです。
そのために、今後は年収を......」


「う、ううん!
グループとしての活動はもちろん、今後は個人活動にも力を入れて、ファンや皆様にもっと色々な自分を見せていきたい。って言ってたよね?」


「そんなこと言ったか?
さっきから何なんだよ」



目標を聞かれたので、具体的な目標を言おうとすれば、おおげさに咳払いをしたマネージャーにまたも言葉をさえぎられる。

おかしなことを言った記憶もないのに、一体なんなんだと問いただすが。



「あー、次の仕事も入ってるから時間がない。申し訳ありませんが、次の質問お願いします」



マネージャーは俺を思いきり無視し、記者をせかす。

怒りがこみ上げてくるが、ここで感情のままに怒鳴り散らし、記事にされたら困るので、なんとか怒りを抑える。



「グループ活動も個人活動も、両方精力的に活動していき、プライベートでは両親への孝行をしたい、と。

では、次の質問......」



上手い具合にまとめた記者に、それから好きなタイプや行ってみたいデートスポットやらを聞かれたが、何かにつけてマネージャーがでばってくる。 


結局インタビューされているのは俺だったのか、マネージャーだったのかも分からないままに、インタビューが終了した。