たとえ愛なんてなかったとしても

「行かない、で済む話じゃないのは分かってるよな?嫌でも、これも仕事と割りきるしかないんだ。

正式な取材以外のマスコミは全て無視でいい。
後はマネージャーが手配してくれてるから、ただ行くだけだ。

それくらいできるだろ?」


「できません。
全て手配してるなら、マネージャーが代わりに行ったらいいのに」


「マネージャーが行っても意味ないだろ。
それともマネージャーに変装して行ってもらうか?マネージャーだと無理があるから、他の女スタッフの方がいいか?」


「そうできるのなら、そうしたいです」



......強情なやつだな。
代わりを送り込んだとしてもすぐにバレるだろうし、バレたら余計に大事だろうに。

意見を変える様子もなく、少し一人にしてくださいとそっぽをむくミヒに、俺だってそうしてやりたいのは山々だが、あいにくと時間がない。



「いつまでも聞き分けのないこと言ってるなよ。
俺たちは芸能人だ。事務所や世間から見捨てられれば、生きていけない。それが現実だ。

おい、聞いてるのか?」



そっぽを向いたまま聞いてるのか聞いてないのか分からないミヒを、こちらに向かせようと腕をつかむ。