たとえ愛なんてなかったとしても

「エリックさんが.....?」



納得してないような様子で簡単には引き下がらない俊輔。


それもそうだ、俊輔はミヒの彼氏でもあるし、
何より今までの俺の態度を考えれば、安心して任せられるわけがない。


この前だって、あんなことがあったばかりだ。
すぐに、はいどうぞ、とならないのも当然だろう。



「ああ、頼む。
俺に任せてほしい」



任せられるような男ではないことは、自分でもよく分かっていたが、それでも俺は心からお願いした。頼む、と。


誰かにこうして、真剣に頼みごとをすることなんて、今まであっただろうか。

もちろん仕事関係では数えきれないほどあるけれど、自発的にしたことはほとんどないかもしれない。


俊輔に任せておけばいいのかもしれないが、
自分でもなぜか分からないが、俺が行かなければいけない気がするんだ。



「......わかりました、お願いします」


「ありがとう」
 


俺に言いたいことは山ほどあるだろうが、俊輔は俺と一度目を合わせた後で、すぐに了承した。


ここでまた俺と言い合うのも嫌だと思ったのか、心から納得したのかは分からない。

とにかく何にしても俺に委ねてくれた俊輔に礼を言ってから、マネージャーに今後の予定を聞いて。

それから、部屋を出た。