たとえ愛なんてなかったとしても

「本人も自殺の可能性は否定してるみたいだけど......、生活苦もあったらしくて、マスコミは自殺の説一色みたいだ。

......とにかく、ミヒは一度会いに行くんだ」


「どうして?今は下手に出ていかない方がいいんじゃないですか?
今行ったところで、あちらのメディアにくだらないことを聞かれるだけです」



俺の時と同じように、やつらは人の気持ちなんてまるで考えもしないで、ハイエナのように追いかけ回すんだろう。

俺でさえうんざりだったのに、ミヒに上手くやれるとも思えない。


養子に出されてから一度も会ったことがない親に会いに行き、さらにマスコミにつかまれば、それへの対応もしなくてはならないとあっては、さすがに今のミヒの心境を思えば、酷な気がした。



「それもそうだけど、今行かなければ、さらに叩かれるよ。
ほら、あっちはけっこうアンチも過激だし、場合によっては、今後の活動が難しくなるかもしれない。 

ミヒはまだ会う心の準備が出来てないかもしれないし、複雑かもしれないけど......。

それに、意識が回復したとはいえ、今後どうなるのかまだ油断できないし、一度会っておいた方がいいんじゃないかな」