たとえ愛なんてなかったとしても

そうか、こいつは俺自身だ。

ヒョンスが俺の中に自分によく似た一面を見つけたように、俺もまたヒョンスの中に俺を見つけた。


きっと、自分とよく似ているから、憎かったんだ。

俺がずっと目を背けていたものを、ばか正直にありもしないものを信じ続けているヒョンスにどうしようもなく苛立ちを感じたんだ。

俺にはできないことを、簡単にやってのけるこいつが。本当は羨ましかったんだ......。



「そうか、やっぱりお前とは解り合えそうにないな。俺はお前みたいなメンバーは家族だ、弟だとベタベタした考え方は好きじゃない。

俺は、俺のやり方でやる」



よく似た一面があったとしても、完全には同じ人間ではないように、やはり俺はヒョンスみたいには生きられない。

メンバーに気を配り、優しく悩みを聞いてやることもできない。

人の真似をしていても仕方ないし、どれだけ羨ましく思っても、これからもきっと、俺は俺のやり方でしか生きられない。

しかし、それでも自分の本当の気持ちを自覚したことで、俺の中で確実に何かが変わった。



「だけど......、お前のことは嫌いじゃない」



顔も見ずにそれだけ言うと、返事も待たずに、トイレのドアを開け、外に出た。


長年染みついた生き方は簡単には変えることができなくても、俺にはできない生き方であったとしても。

それでもばか正直に純粋なこいつが、俺は嫌いじゃないんだ。