涙をこらえるキャシーがどうしようもなく愛しくなって、頭を撫でようとすると、キャシーはその手を振り払う。



「ばか。俊輔キライ!
私の気持ちを言い当てないで!」



それから、すねたような顔をして、バシッと俺の肩を叩いて、自分たちの楽屋の方に走っていってしまった。


キャシー......。
やっぱり俺、キャシーが好きだ。


ごめんな、ミヒ。
ミヒのことは可愛いと思うし、俺に何かできることがあるならしたいと思うし、幸せになってほしいとは思うけど。


それでも、俺はキャシーから逃れられないみたいだ。

振り回されたって、利用されたって。
ただの気まぐれで俺の相手をしただけでも、それでも嬉しいんだ。

どれだけひどいことをされても、
どうしたって、俺はキャシーのことが嫌いになれないんだ。


全てのことが解決したら、もう一度キャシーに気持ちを伝えよう。  
キャシーのたった一人になれなくても、好きだと。