たとえ愛なんてなかったとしても

とうとう乱闘が始まったみたいだ。



「お前ら、いい加減にしろ!
日本に来てまで、何やってるんだ!」 



誰かの仲裁する声や、誰かの怒声やらが飛び交い、なんだかカオスな状況になってきた。

見たわけじゃないけど、楽屋の中がとんでもない状況になっていることが容易に予測できる。


なんか......大変だな。

うちも大概トラブルメーカーばっかりだけど、このグループのリーダーやってるヒョンス兄さんも相当大変そうだ。

尊敬するよ、わりとマジで。



「ほら、なんか大変そうだし、もう帰ろう」



これ以上ここにいても仕方ない、とキャシーの手を引いて、自分たちの楽屋へと戻る。





「俊輔」


「なに、......キャシー!?」



珍しく何の反論もせずに素直に俺の言うことに従ったかと思えば、後ろから声をかけられたので振り向くと。